【第2回】「テンプレ営業メールの落とし穴」——返信ゼロになる“残念パターン”を徹底解剖
【登場人物紹介】
川上(A):大手企業の営業マネージャー。毎日数十通の営業メールを受け取る立場でもあり、“読まれないメール”の特徴を熟知。
菅野(B):スタートアップ出身の営業マネージャー。リード獲得から提案まで一貫して担当し、“返信率を上げる文章”をチームに指導。
■ 導入文
営業メールの大半は、「開かれず」「読まれず」「返されず」に終わる。
なぜか?
それは“文章力”ではなく、“構造と前提”のズレにある。
第2回では、日々営業メールを受け取る二人のマネージャーが、現場で感じる“刺さらない文面の共通点”を語り尽くす。
「御社HPを拝見し…」で始まるメール、誰も読んでない
川上: もうね、毎日のように来るんですよ。「御社のHPを拝見し、ぜひお役に立てると思い…」って。
菅野: はい出た(笑)。テンプレ中のテンプレ。
川上: しかも、どこを見たか書いてない。「どのページ? 何を感じた?」って思う。
菅野: 結局、“見たフリ”ですよね。見てない。
川上: そう。だからテンプレ営業って、「相手の時間を奪っている」って自覚がない。
菅野: 営業で一番ダメなのは、「自分の都合だけで送ってる」ことです。
“強みの羅列”は、むしろ弱点
菅野: 「カメラマンもディレクターもいます」「スピード対応・高品質」——こういうのも多い。
川上: それ、“競合紹介”メール(笑)。みんな同じこと書いてる。
菅野: 結局、“自社の構造説明”で終わってるんですよね。
川上: そうそう。「相手のメリット」じゃなく、「自分の説明」。
菅野: メールって本来、“問題提起”と“共感”から始まるものなんですよ。
川上: 「御社の研修動画、社員さんの行動に落ちてますか?」みたいな問いなら読む。
菅野: “問いかけ型”の一文、あれ強いですよね。読者の頭が動く。
「柔軟なプラン」「低価格」はもう響かない
川上: 「柔軟なプランあります」「低価格でご提供します」——これも多いですよね。
菅野: 定番すぎる(笑)。もう“デフォルト”です。
川上: そう、差別化のつもりが、逆に埋もれる。
菅野: しかも、“価格”から入ると、相手に“比較スイッチ”が入っちゃう。
川上: うん。価値を説明する前に、勝負が終わるんですよ。
菅野: だから、**「価値→設計→成果→限定→価格」**の順が理想。
川上: “値段の前に物語”を置く、ってことですね。
“テンプレ”が生まれる本当の理由
川上: でも、なぜみんなテンプレになるんでしょう?
菅野: 一番は「失敗したくないから」。
川上: あ〜分かる。“外したくない”から無難に書く。
菅野: でも、それが一番当たらない(笑)。
川上: ほんと。安全運転の営業ほど、存在感ゼロ。
菅野: テンプレを送ると、本人は“仕事した気”になるんですよ。
川上: 分かる。でも、相手の心には何も残ってない。
菅野: 営業の目的は「送ること」じゃなく「反応をもらうこと」。そこを履き違えちゃいけない。
まとめ:「テンプレから、設計へ」
川上: テンプレートは“安全”のためじゃなく、“仮説を試すため”に使うもの。
菅野: そう。**「反応を出すための型」**に変えると、意味がある。
川上: 「誰に」「どんな課題で」「どんな気持ちで」読まれるかを設計しないと、動かない。
菅野: それを繰り返してこそ、“反応が返る営業”になるんですよね。
👉 次回予告:
第3回では、反応が返る営業メールの構成を徹底解説。
「あるある→約束→具体→数字→一歩」——刺さる5段構成の作り方を、実例付きで紹介します。
次回(第3回)は、**“返信が返る営業メールの設計図”**として、
川上×菅野の対話で「どう書けば行動が起きるのか?」を解き明かします。
