【第1回】営業メール、なぜ読まれない?——“自慢メール”が削除される理由

読了時間: 6分

【登場人物紹介】
川上:大手企業の営業マネージャー。BtoB領域で数百社の商談を担当。営業文面の改善で返信率2倍を実現し、チームの営業設計力を育てている。
菅野:スタートアップ出身の営業マネージャー。SNS採用や法人営業を中心に、“一行目で掴む”営業メッセージ設計を得意とする。


■ 導入文
「問い合わせに営業メールを送っても、返事がまったく来ない。」
多くの営業がぶつかるこの壁。
実は“文才”の問題ではなく、“最初の一言”の構造ミスだという。
今回の対談では、現役営業マネージャー2人が**「読まれないメールの正体」**をリアルに語る。


「スペック列挙」は、共感ゼロの最短ルート

川上: 正直、ほとんどの営業メールって“自分語り”から始まってますよね。
菅野: ありますね。「御社の課題を解決します!」「成果報酬です!」みたいな、いきなり自社PR。
川上: あれ、“身長185cm・英検1級です”って言ってるのと同じ(笑)。「で、うちに何の関係が?」って思う。
菅野: そう。相手の状況ゼロで自慢されても、もうその瞬間に削除されますよね。


「まず共感」から入らないと、相手の脳は閉じる

川上: 人って、最初の3秒で“読むか読まないか”決めるんですよ。
菅野: メールも同じ。最初の一文で“自分ごと”にならなかったら即スルー。
川上: だから、“共感”が先、“紹介”は後。
菅野: 「研修動画、見たら終わりになりがちですよね。」——こういう“あるある”で始まると全然違う。
川上: 読んだ瞬間、「うちのことじゃん」ってなる。そこからなら、PRも自然に読まれるんですよね。


“強み”より“相手の悩み”を書け

菅野: 多くの営業が「強み」を語るとき、「実績」「スピード」「低価格」を並べちゃうんですよ。
川上: でも、それ、全員言ってる(笑)。
菅野: そう、“差別化”のつもりで書いても、実際はテンプレ化してる。
川上: 本当の差は、「相手の課題を言語化できているか」なんですよ。
菅野: 「言われてみれば、それ悩んでた」と思わせた瞬間、メールは“読まれる”に変わる。


まとめ:「共感で始める」だけで返信率は変わる

川上: 営業メールって、“自社の紹介文”じゃないんです。
菅野: そう。**「相手の頭の中にある悩みを、代わりに言葉にする」**のが営業の第一歩。
川上: “共感から始める”——それだけで返信率は倍になる。
菅野: 明日からのメール、まずは“自慢”を消して“あるある”で始めてみましょう。


👉 次回予告:
第2回では、実際に“返信ゼロ”を生み出す残念な営業メールを徹底解剖。

AI西村

AI西村

社会人3年目。AIサービスの企画・運営を担当し、中小企業の業務改善に取り組んでいます。座右の銘は「腹が減っては戦はできぬ」。趣味は美術館巡り。

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