【第2部】なぜ東京より地方で売れたのか?47都道府県に“地元代表”を置く構想が生まれた理由
登場人物の紹介
白石:AIで全国の中小企業を黒字化しようとしている起業家。元NTT・CAで、今はAIエージェントを開発しながら「年間1万社AI化」を本気で狙っている。筑波大出身、趣味は登山と将棋初段。
菅野:福島県いわき市出身。新卒からHR&法人営業を経験し、現在はライトアップで代理店・中小企業の現場を支援する実践派。地方のリアルと現場の本音を一番知っている。
白石: 9月の326件のうち、6割が東京以外だったんだよね。これ、正直かなり意外じゃなかった?
菅野: そうなんです。「AI」って東京の方が進んでるイメージあるじゃないですか。でも蓋を開けてみたら、地方の方が圧倒的に動いてました。
白石: なんでだと思う?
菅野: 理由はいくつかあるんですけど、一番大きいのは「地元をどうにかしたい」という想いの強さです。
◆ 地方には「地元を良くしたい人」が多い
菅野: たとえば北海道の代理店さん。
「北海道をもっと盛り上げたい」「地元の中小企業を助けたい」って本気で言うんですよ。
白石: そういう人って東京より地方の方が多いよね。
菅野: 東京は市場が大きいですけど、“自分の地域をなんとかしたい”という熱は、地方の方が圧倒的に強かったです。
白石: 「自分がやらなきゃ変わらない」と思ってる人がいるんだよね、地方には。
菅野: しかも、そういう人って「レペゼン〇〇(=地元を代表してる)」っていう感覚を持ってるんですよ。
◆ 「レペゼン○○」= 地元の“顔”になりたい人たち
白石: ああ、「レペゼン地球」的な、あの“自分がこの地域を背負う”ってやつね。
菅野: そうですそうです。「俺がこの地域の代表だ」「ここをAIで変えたい」っていうマインドの人、地方にめちゃくちゃいます。
白石: それ、東京だとあまり聞かないよね。
菅野: 東京は“誰かがやってくれる”って空気があるんですけど、地方は“自分たちで何とかしなきゃ”って空気なんです。
◆ だから成果が出る
白石: 結局、AIって“業務改善の道具”じゃなくて、“地域を変える武器”になり得るからね。
菅野: そうなんです。だから地方の人は「AI=チャンス」と捉えてくれる。
白石: そして“熱い人”の紹介って、ものすごく強いんだよね。信頼されてる人が声をかけると、一気に集まる。
菅野: だからセミナーも、地方の方が集客しやすかったんです。「あの人が言うなら行ってみよう」となる。
◆ 「東京が進んでいる」という思い込みを捨てた瞬間
白石: 正直、最初は「AIは東京から広がる」と思ってたんだよね。
菅野: 僕もそう思ってました。でも実際は真逆でした。
白石: 東京は“選択肢が多すぎる”っていうのもある。新しいサービスも次々出るし、情報過多で“比較してる間に動かない”ことも多い。
菅野: そうなんです。東京の方がスピード出ない場面、めっちゃありました。
白石: 一方で地方は“選択肢が少ない”からこそ、「これだ!」と思ったらすぐ動く。
菅野: そう。だからAIみたいな“ゲームチェンジャー”には、地方の方が反応早いです。
◆ そして生まれた「47都道府県に中心人物を置きたい」という発想
白石: この流れで出てきたのが、「47都道府県に“地元代表”を置こう」という構想なんだよね。
菅野: はい。最初は「全国に代理店を増やそう」くらいのイメージだったんですけど、やってみたらそれだと弱い。
白石: “どこにでもいる代理店”じゃなくて、**“それぞれの地域に本気で動く中心人物”**が必要だと。
菅野: そうです。“地元の顔”みたいな人が1人いるだけで、その地域全体が変わる。
白石: しかもそれが、市区町村レベルだと細かすぎる。
菅野: はい。人口規模や文化を考えると、**「都道府県単位」**が一番ちょうどいい。
白石: それぞれの県に1人“旗振り役”がいれば十分。
菅野: その人を全力で支援すれば、その県全体がAIで変わる。
◆「県に1人“旗振り役”がいればいい」
白石: 結局、全国を一気に変えようとすると非現実的なんだけど、47人の“本気の人”を集めるなら現実的。
菅野: そうなんです。しかもその47人は、別に大企業の社長じゃなくてもいい。“地元で信頼されてる人”なら誰でもいい。
白石: たとえば商工会に顔が利くとか、地域の中小企業と繋がりがあるとか。
菅野: あるいは「俺がこの街を変える!」って本気で言える人。
そういう人が1人いるだけで、周りの企業も自治体も巻き込める。
白石: だから「代理店」というより**“地域のAIリーダー”**を育てる、というイメージに変わったよね。
◆ そして、地方こそ“AIの追い風”が吹いている
菅野: 面白いのは、地方の人って「AI=危機感」じゃなくて「AI=希望」って思ってる人が多いんですよ。
白石: それ大事。東京の人は「AIに仕事が奪われるかも」とか言うけど…。
菅野: 地方の人は「 AIがあれば、東京に勝てるかもしれない」って言うんです。
白石: そこなんだよ。“AI=ゲームチェンジャー”として見てる。
◆ 「AIなら、東京を逆転できる」
白石: たとえば人口とか経済規模で言ったら、地方は東京に勝てない。でも、AIって“人数が少ないほど強い”ツールなんだよね。
菅野: そうなんです!
AI=「少人数でも大企業に勝てる武器」
白石: だから地方の方がAIを“本気”で捉える。
「俺たち、これで東京に勝てるんじゃない?」って。
菅野: 実際、福島とか愛知とか、そういう熱い地域からどんどん成果が出てます。
◆ ここで白石が放った“価値観を壊す一言”
白石: 菅野、覚えてる?昔お前に言ったこと。
菅野: どれですか?
白石: 「人以外を人口と数えないのは、なんで?」ってやつ。
菅野: ……あれ、正直、衝撃でした(笑)
◆ 「人口=人」じゃない?
白石: 日本って“人口減少”が問題って言うじゃん。でもさ、
“AIを人口としてカウントしてない”のはおかしくない?
菅野: たしかに…。
白石: たとえばタクシー会社なら、本来“車の数”とか“稼働AIタクシー”を人口として考えるべきなのに、
“ドライバーの数”だけを人口として扱ってる。
菅野: それってもう時代に合ってないですよね。
◆ AIは“人件費0円の人口”になる
白石: 人口って「労働力」でしょ?
じゃあAIは「24時間サボらず働く労働力」。=人口じゃん。
菅野: なるほど…。
白石: これからは**「人間1+AI5」みたいな構造で戦う地域が勝つ。**
菅野: つまり、地方は“人が少ない”じゃなくて、“AIを使えば人を増やせる”ってことですよね。
白石: そう。
「AIで人口を増やす」=地方再生の新しい考え方。
◆ 人が減っても、“戦える地域”になる
菅野: じゃあ、これからの地方は「若者を増やしましょう」じゃなくて…
白石: 「AIを増やしましょう」になる。
菅野: うわ、それめっちゃ新しい(笑)
でも理にかなってます。
◆ AIが“地域の勢力図”を変える
白石: 中央集権型の時代は終わる。
東京に人も情報も集まる時代は終わる。
白石: AIによって“どこにいても戦える時代”になる。
菅野: だから、47都道府県すべてにAIリーダーを置く価値がある。
白石: そう。“全国一律で広げる”じゃなくて、**“それぞれの地域でAIプレイヤーを生み出す”**ことが大事。
◆ そして、そのAIプレイヤーこそ「代理店」から生まれる
菅野: つまり代理店って「ただ商材を売る存在」じゃなくて…
白石: **“地域のAI経営インフラになる存在”**なんだよね。
菅野: それ、めちゃくちゃカッコいいです。
白石: そして、その第一歩が**「セミナーに呼ぶだけでOK」**という“誰でも始められる仕組み”だった。
菅野: そこから結果が出れば、
「自分の県をAIで変える」という覚悟を持つ人が生まれてくる。
◆ 第3部へ――「AIコンサルとしての代理店」へ進化
白石: ここまでが「代理店がどんどん成果を出し始めた理由」。
でも本当に面白いのは、この先。
菅野: そうなんです。
“セミナーに呼ぶだけ”から、“AIコンサル”へ進化していくんですよね。
白石: AIを“自分でも使いこなす人”が、地域の中心になっていく。
菅野: そして、「AIが人口になる」という考えが、“地元の逆転ストーリー”に繋がっていく。
