【第1部】なぜ326件も売れたのか? AIがAIを売る“自動受注モデル”にたどり着くまで
登場人物の紹介
白石:AIで全国の中小企業を黒字化しようとしている起業家。元NTT・CAで、今はAIエージェントを開発しながら「年間1万社AI化」を本気で狙っている。筑波大出身、趣味は登山と将棋初段。
菅野:福島県いわき市出身。新卒からHR&法人営業を経験し、現在はライトアップで代理店・中小企業の現場を支援する実践派。地方のリアルと現場の本音を一番知っている。
菅野: 正直、9月の結果って…今までで一番“衝撃的”でしたよね。
白石: うん。326件。目標300件だったから達成どころかオーバー。でも、数字以上に“売れ方”が革命的だった。
菅野: そうなんです。後半は「AIがAIを売る」っていう自動受注モデルで、AIが131件提案して、そのうち46件が受注。CV率35%。営業マンが売ったわけじゃなく、仕組みとAIだけで46件決まったんですよね。
白石: これは本当に大きいよね。営業の概念を変えるような出来事。しかも代理店が売ったんじゃなくて、“セミナーに呼んでもらうだけ”でここまでいったわけだから。
菅野: でも…正直に言うと、ここに至るまで順調だったわけじゃないんですよね。むしろ7月・8月はかなりキツかったです。
白石: そう。9月だけ見ると「めちゃくちゃ順調なビジネスモデル」と思われるかもしれないけど、実はその前に“大きな失敗”が2つあった。
◆ 7月・8月は「全然うまくいかなかった」
菅野: まず1つ目の失敗は、「代理店を教育しようとしたこと」でした。
白石: あったね。商材理解してもらって、提案してもらえるようにしようって。
菅野: そうなんです。「代理店もプロだから、ちゃんと理解してもらえれば売ってくれるはず」と思って…。
商材の資料を整えて、営業トーク集をつくって、動画マニュアルもつくって、研修もやろうとして…。
白石: でも結果、全然動かなかったよね。
菅野: はい…。今だから言えますけど、資料を渡せば渡すほど、代理店さんの手が止まりました。
白石: 「内容を理解しなきゃいけない」って思われた瞬間、ハードルが上がったんだよね。
菅野: そうなんです。こっちは「分かりやすくしてあげよう」と思ってたのに、代理店からすると
「覚えなきゃいけないことが増えた」
「間違えたら怖い」
「もっと準備してから提案しよう」
ってなって、逆に一歩も動けなくなった。
白石: それって、教育の“副作用”なんだよね。
「知らないとダメ」じゃなくて「知らなくても動ける仕組み」の方が強い。
菅野: 今なら分かります。でも当時は「ちゃんと説明しないと失礼かな」とか「情報が足りないから動けないのかな」と思って、とにかく伝えようとしたんです。
白石: むしろ“伝えすぎた”んだよね。
菅野: はい…。結果、「学ばせようとしたら、動かなくなった」。
これが1つ目の大失敗でした。
◆ 失敗②:「大きい会社なら売れるはず」と思ったら、全然動かなかった
菅野: もう1つの失敗は、「営業マン50人以上いるような大きい会社と組めば、一気に広がるはず」と思っていたことです。
白石: 大人数=営業力が強い、というイメージはあるよね。でも現実は全く違った。
菅野: 本当にそうでした…。大きい会社ほど“稟議”が重くて、“誰が決めるのか”も曖昧で。
担当者は「やります!」って言うんですけど、実際には社内で止まって動かない。
白石: 「検討します」が永遠に続く。
菅野: はい…。しかも50人営業がいると言っても、実際動くのは1人か2人。むしろ社内調整で時間ばかりかかって、スピード感がまったく出なかったです。
白石: 結局、「大きい会社=強い」じゃなくて、「小さくても意思決定が早い会社=強い」なんだよね。
菅野: まさにそれです。むしろ社員10人くらいの会社の方が「すぐやります!」って即動く。
しかも経営者が近いから、話が早い。
白石: “人数の多さ”じゃなくて、“熱量と機動力”が大事だと分かった瞬間だね。
菅野: そうなんです。7月・8月で「大きい会社は安心」という幻想が消えました。
◆ 気づき:「売らせようとするから、動かないんじゃないか?」
白石: で、7月と8月の失敗を踏まえて、「そもそも戦略が間違ってるんじゃないか?」という話になった。
菅野: はい。「代理店に“売らせよう”としていた」ことそのものが、根本的な間違いだったと気づきました。
白石: 営業トークを覚えさせて、提案してもらおうとしてたもんね。
菅野: でも、代理店さんは本業で忙しいし、うちの商材を深く理解して提案するのは正直ハードルが高かった。
白石: そこで出たのが、「じゃあ、もう代理店には“売らせない”ようにしよう」という発想。
菅野: そうです。「知識ゼロでも成果が出る仕組みを作ればいい」と割り切りました。
◆ 戦略を“真逆”に振った
白石: 具体的にはどう変えたんだっけ?
菅野: 2つです。
① 代理店は“セミナーに呼ぶだけ”でOKにした。
資料を覚える必要も、提案する必要もない。「とりあえずこのセミナーに参加しませんか?」だけでいい。
白石: 「売る」のではなく「誘うだけ」。行為として別物だよね。
菅野: はい。セミナーやLPの中で、うちが全部売る。
だから代理店は“きっかけ”を作るだけで成果が出るようになった。
白石: そしてもう1つが、「小さくて機動力のある代理店と一気に走った」。
菅野: そうです。「早く動ける会社」とだけ組んで、一気にスピード勝負しました。
◆ 結果:9月、一気に“爆発”した
菅野: そして9月、一気に結果が出ました。
目標300件 → 326件。
白石: しかも、そのうち6割は東京以外だったんだよね。
菅野: そうなんです。愛知、北海道、地方の代理店さんがめちゃくちゃ動いてくれた。
「地元を良くしたい」「地域でAIを広めたい」っていう熱量を持っている人たちが、めちゃくちゃ力を発揮してくれました。
白石: “地方の人の方がAIに本気”というのは、正直驚きだった。
菅野: そしてもう一つの大きな成果が…
AIがAIを売る“自動受注モデル”が完成したことです。
白石: うん。あれは本当に衝撃だった。
◆ AIが131件提案し、46件を受注(CV35%)
菅野: セミナーでAIを案内し、その後の提案もAIで自動化。
人がクロージングする前に、すでにAIが「提案〜申込」まで進めるようになった。
白石: つまり、**“営業マンがいないのに受注が生まれる”**状態。
菅野: はい。結果、AIによる131件の提案のうち、46件が自動で受注。CV35%。
白石: これが“AIがAIを売る時代”の誕生だよね。
菅野: しかも代理店は、ただ「セミナーに呼ぶだけ」。
提案もクロージングも、仕組みとAIがやる。
白石: 教えない。売らせない。
それでも成果が出る。“代理店モデルの再発明”と言っていい。
◆ ここで終わらない。「なぜ地方が一番ハマったのか?」
菅野: 実はこの時から、「東京より地方の方がハマってる理由」も見えてきたんですよね。
白石: そう。ここがめちゃくちゃ重要。
菅野: “AI × 代理店 × 地方”という組み合わせが、想像以上に強力だった。
ここから「47都道府県に“地元代表”を置く構想」につながっていきます。
白石: そして「AIが人口を増やす」っていう、価値観そのものをひっくり返す話になる。
👉 第2部では、
「なぜ地方で売れたのか?」
「47都道府県に“地元代表”を置くという構想」
に深く入っていきます。
菅野: ここから話が一気に広がります。
白石: 地方こそ、AI時代の“主役”になれる。
